マツ(松)
属性 マツ科Pinus Pinaceae,Pinoieae
常緑の代表的針葉樹の陽樹
マツは全般的に長寿を保つ木ということにより、古くから寿を意味する木とされ、松竹梅、門松などで知られるように、”ときわぐさ”雅名を持ち、日本人の祝い事には必ず登場している。万葉集に出てくる木の中でもマツを歌ったものは多い。それは日本人好みの非対称の樹形の美しさと変わらぬ常緑、そして荒野に根を張る生命力に抱いた強いあこがれでもある。
また、日本三景として名高い松島、天橋立や三保の松原の美景を作り出しているのもマツなればこそという。
一般的にクロマツは海岸に近く、塩分に弱いアカマツは潮風のない内陸部に育つとされるが、松島をはじめとする東北地方の太平洋側の海岸地域にはアカマツが育っている。
建築用材に限ってみれば、強靱性や湿気に対する耐久力が重宝されて軸組工法の梁、柱、敷居、土台、根太、敷板、床材などに使われ、特に、梁は平角のマツが最上等とされている。それ意外では杭木、枕木、経木、木毛、薪などに使われてきた。
樹脂が少なめのアカマツ材は、磨くと光沢が出る。大径木から取った広幅板には美麗な杢目が出るので、銘木の装飾用建築材として賞用されるし、ツキ板として表面化粧材に活用されている。
広幅板は、床の間の地板としては最高級に属し、地袋の天板、棚板類に使われる。
通直な年輪のつんだ柾目材は、鴨居、柱、羽目板その他の造作材に使われる。
縁甲板としても拭きあげると明るい光沢を生ずるので評価は高い。