若桜杉
鳥取県八頭郡若桜町に生育するスギで、林業地としては、隣接する智頭林業があまりに有名なため、その名に隠れて、智頭の亜流に甘んじてきたきらいがあります。 若桜町と兵庫県との境に沖ノ山があり、裏杉系代表の一つである「沖ノ山」の発生地とされ、智頭と並んで古くからスギ造林が行われたと考えられています。若桜スギは、若桜地方の土質が花岡岩の風化土壌で、急傾斜地が多く水はけが良いため、智頭杉に比べて心材の赤色が若干うすく、年輪が硬い傾向があるといわれています。 銘木としての若桜杉は、一般に樹齢約150年生以上の無節材を銘木と呼び、樽丸生産がなくなった昭和10年代以降は、長押、鴨居、天井板に多く使われ、建具材としても、障子の枠、桟、腰板などに賞用されてきました。 しかし、銘木といわれる若桜杉も現在では少なくなっていますが、かつての林分調査によると、150年生後の立木は数百本は存在したと言います。また、100年生程度の林分はかなり存在しているので、今後、数十年を経ればかなりの量が供給される見込です。